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その背後。誰かが俺の肩を掴んだ。いや、誰かなんて分かってる。
花垣は俺の代わりに振り返り、
「浜崎先生。・・・・・・あー、ドンマイ」
同情と哀れみの視線を向けた。ああ、最悪だ。
今、背後にいるのは花垣と同じ同期。そして俺が最も嫌いなタイプの女教師。浜崎恭子だ。
「さて、雅先生。とりあえず今の話について、ちょっと聞かせてもらいましょうか?風紀委員の担当をする身としては、先生と生徒間の風紀も正さねばなりませんので」
いつもと変わらぬ、うんざりするほど厳密な声。
その手に力がこもっている。その具合からして、これから起こるべき事柄は俺が嫌う面倒事だろう。
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