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取り敢えずマンションに戻り、気分転換にシャワーを浴びてリビングに戻り、ソファーに深々と腰を下ろす。
そして大きく深呼吸をしてから携帯を手に取り父に掛けた。
『はい』
「もしもし、めぐみです。実は……」
今日社長にお見合いに連れ出されたこと、相手が大和建設の藤田隆太郎だということをたんたんと話した。
『で、ちゃんと断ったのか?』
「もちろんよ。『藤田隆太郎さんと結婚する気も、お付き合いする気もありません』ってはっきり言ってきたわよ。ちゃんと諦めてくれたらいいんだけど……」
『わかった、こっちでも釘を刺しておこう。誤解を招く前に、誠君にも言っておきなさい』
「はい、じゃあよろしくお願いします」
ずいぶん興奮して話していたせいか、誠さんが帰ってきていたことに気づかなかった。
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