第2話

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チラ、と本から一瞬だけ視線を外すが、また本を読みはじめてしまった。 「なあ、無視しないでくれよ……」 「じゃあ、その羊女って呼ぶの、いい加減にやめて」 しまった。 つい本人の目の前で、羊女というあだ名を口にしてしまった。 「あ、ごめん……つい」 「……ユニ」 「え?」 「だから、私の名前。皆そう呼ぶ」 ユニ。 それが羊女の本名…か…。 「じゃあ、ユニ。何で歌えないのか、聞いてもいいか?」 ユニは椅子から立ち上がり、読んでいた本を持ってベッドに近付いてきた。
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