銀色人魚と不遇な船乗り(仮)

第2話

嵐はそれから数日間続き、やむことはありませんでした。
少年の乗っていた船は海の深い深い所に沈み、船員も全員海の中に姿を消してしまい、誰一人、陸に帰ることはなかったと言うことです。

少女は少年の体をひっぱり、海の底にある神殿に連れていきました。
その神殿は、決して人間が入ることは許されない、神聖な神殿です。

しかし少女は人魚の掟に、愛する人ならば、その神殿に踏みいることが許されるということを知っていました。
少女は少年を深く愛していたので、その神殿の守り人に咎められることなく、入ることが出来ました。

　どうか　どうか
　彼の命をお返しください
　そしてその代わりに私の命を差し出しましょう
　どうか　どうか

そう願うと、少女の前に神様が現れました。
そして神様はこう言いました。