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ユニの話を聞き終え、俺は一度深く溜め息を吐き、改めてもう一度、挿し絵を見た。
「……人魚には大嵐を起こさせる力があるというのは、本当の物語を知らない人間たちが後々語り継ぐうちに脚色されていったこと。
本当はそんな力なんてない」
「じゃあ、どうしてユニは歌えないんだ?
……もしかして、音痴なの…?」
「ちっがうわよ!!失礼ね!!」
ブンッと俺から本を奪い取ると、歌のページを見ながら、ユニはとても渋い顔をした。
音痴かどうか聞いたのは、ほんの冗談だったというのに……
ほんと冗談の通じないやつだな…
「……歌がね、思い浮かばないの」
「思い浮かばない…?どういうことだ?」
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