第3話

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むしゃり、と一口齧ったとき、何やら多方面から視線を感じ、そちらに顔を向けると、 「……え、どうしたんですか…?」 シルヴァさんとジェスさんが、驚いたように俺を見ていた。 え、何だろう、何か食べ方がおかしかったのか? 最初はサラダから、とかそういう作法があったりするのか? 何だか分からず、俺は眉を潜めながら首を傾げた。 「あ、いや……な、ジェス」 「え、ええ……あなた船乗りさんよね?」 「あ、はい、そうですけど」 「あなたの船では食事の前に手を合わせる習慣があるのかしら?」 手を合わせる習慣……? ああ、ユニの真似をして掌を合わせたことに驚いていたのか。 確かに、俺も初めて見たときは少し驚いたけれど、今はこれが何だかしっくり感じている。
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