第3話

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「ユニ……?起きてる?」 返事はない。 もしかしてまだ起きてないのだろうか。 部屋に入って起こすのは、先ほどのシルヴァさんの様子からして自殺行為だろう。 でも、部屋に入らないと起こせない。 起こせないままリビングに戻って、シルヴァさんに何かしら言われるのも正直嫌だ。 どちらが屈辱かというと、甲乙つけ難いが。 「……ユニ、入るよ」 ゴクリと固唾を飲み込んで、俺は静かに、出来るだけ音を立てないように、ユニの部屋に足を踏み入れた。 ぎし、ぎし、と床を踏みしめる音だけが部屋に響く。部屋の作りは俺の止まっていた部屋とほぼ同じらしい。 ただこちらの部屋は、やはりユニが泊まっているだけあって、女の子らしい家具や装飾品が多い。
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