9人が本棚に入れています
本棚に追加
チェストの上には、たくさんの綺麗な貝殻と、写真立てが二つ、そして小さなランプが置いてある。
壁には海の中が描かれた絵画が飾られており、その中には海の底の宮殿の絵もあった。
もしかして、ユニの住んでいる所の絵なのだろうか。
しばらくその絵の前で立ち止まっていると、絵の中の波が揺れているように見えた。
魚達もゆらゆらと優雅に泳いでいるようだ。
驚いて目を見開いていると、今度は宮殿の中から何かが出てきた。
それは、銀色の髪を波に揺らしながら、こちらにゆっくりと近づいてくるようだった。
もしかしてこれは……
「ちょっと」
ふいに背後から聞こえた声に、俺は柄にもなく肩をビクッと震わせた。
恐る恐る後ろを振り返ると、長い茶色の髪をふたつに括ったユニの姿があった。
最初のコメントを投稿しよう!