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私でさえ、今朝の夢を見るまで忘れていたのに……。
「ここは思い出の場所だからな……」
昔を懐かしむように、池の中の鯉を眺めながら誠さんが呟いた。
「私にも思い出の場所なのかも、覚えてないけど……」
微笑んだ私に、少しだけ寂しそうな誠さんが頷いた。
「覚えてなかったか……。当然と言えば当然だけど……。なんか凹むな」
「誠さんの思い出ってどんなのですか?」
同じ場所に思い出を持っているなんて、偶然とは思えない。
「子供の頃、好きな子とここで遊んでたんだ」
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