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‐背中‐
白い息に変わる季節になった
屋上で寂しく色付く街を眺めていると
突然の衝撃
「重や~ん♪」
元気な声に怒る気も失せる
「何だ?臣……」
「ん~、特に用は無いねんけど?」
小首を傾げる臣のマフラーが風になびいていた
仕方なく巻き直してやるとニッコリと笑う
くしゃくしゃと頭を撫でてやる
「寒くなって来たねぇ~、重やん寒くないん?」
「そろそろ行くか…」
俺はもう1度 街を眺める
冬はあまり好きではない
けど、人の温かさが1番分かる季節かもしれない
「重やん早く行こー♪」
「臣……俺の背中に引っ付きながら言うな」
。
終
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