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‐手‐
弟?何で今?別に俺は…
「けど、向こうの子どもはまだガキだろ?」
俺の事はどうでもいい
俺は1人でも平気だから
ずっとそうやって生きてきた
親の都合のせいで子どもは大変だ
ガキなら尚更だ…
“大丈夫、大丈夫”
親はそう言うけどな
「慶次郎……立派な名前だな」
笑いながら小さな派手な頭を撫でる自分の手が
この時だけ“汚ねぇ”と思った
喧嘩ばかりして来た手
デコボコで傷だらけだ
でも…
「大きな…手……カッコイイ…」
この頃の慶次郎は笑顔は無かった
ガキのくせに暗かった
そんな時を知ってる俺からすりゃ
今のヤツの変わりようは
蕁麻疹が出る程だ
けど…いい面してやがる
そう思えて
少し嬉しさもある。
。
終
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