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私と朝比奈は1列目と3列目。 後ろを振り向けば、すぐ目が合ってしまう。 イヤホンを外した。 最近リリースされた女性のバラード曲の音が遠くなっていく。 「やっと気付いた。 三春さん真剣にしすぎなんだよ。 僕まで夕飯食べるの逃しちゃったし」 朝比奈は昼間の雰囲気と少し違う。 「あ、まあ…ごめん。 でも、私、何かした?」 思い当たる節はないけど、もしかしたら仕事で何かミスしたのかもしれない。 「考え過ぎ。 ってか、三春さんって天然? 俺、只、三春さんと食事したかっただけなんだけど」 私と食事したかった? そんな馬鹿な。 しかも僕から俺に変わってるし。 「いやいや、そういう冗談いいから。 何か私ミスした?」
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