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「……し…ち…じ…?」 恐る恐る、壁時計の方を見る。 短針は"7"に限りなく近付いていた。 予定の時間に遅れたらどうなるのかなんて想像もしたくないけど、今からじゃ無理…。 会社から駅までは約10分弱。 必死で走れば間に合わないこともないけど、今日の服装はハイヒールに膝丈のスカート。 動きにくいし、増してや走るなんてもってのほか。 悩んでいる間も一刻と近付いてくるタイムリミット。 チクタクチクタク―… ぐるぐると歪んだ時計が複数、頭の中を往来している。
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