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い…行くしかない…。
足早に階段を駆け下りて、玄関まで降りる。
長い髪をゴムで後ろで結う。
全力疾走までとは言わないけれど、この常備では最高レベルの走りっぷりだと思う。
脱げそうなヒールを必死に何かの引力か何かで押さえつけてる私の足は長年の運動不足で悲鳴をあげている。
「あれ?
三春ちゃん、そんな走って何処―…」
「すいません、ちょっと用事があっ……とっ……!
お疲れ様です!」
守衛さんに話し掛けられて思わず階段に躓いてしまった。
「……って、全然大丈夫なんかじゃない…」
心配してくれたのは本当に有り難いことだけど、今はそんなことに時間をとってる場合じゃないから。
明日、挨拶しておこう。
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