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ガヤガヤと騒がしい声と、煙草とお酒の匂い。 店内は程よいお客さんの数。 六人席とカウンターは殆ど埋まっていり、残っていたのは二人席だけだった。 その一番奥の二人に、朝比奈はいた。 "遅い"と私を睨みつけるような目。 右手には私の携帯電話。 いつもの優しいオーラはどこへ吹き飛んでいったんですか。 「御一人様ですか?」 若いアルバイトの女性店員が私の存在に気付いた。 「……えっと、知り合いが先に来てるんで」 そう伝えて朝比奈の方に進んで行った。 近付くに連れ邪悪な空間に包まれていくように朝比奈の苛立ちが伝わってくる。 絶対怒ってるよ。 目を背けたいけど、もう遅い。 私の前に朝比奈が立った。
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