25人が本棚に入れています
本棚に追加
「三春の部屋って、生活感ないよな」
「そうかな?
結構、いろんなものあるとは思うんだけど」
辺りをキョロキョロと見渡した。
「物とかそういうことじゃないんだよ。
なんていうかなー…あんまり人とか出入りしてないって感じ。あまりにも整頓されてるから」
豆腐が箸から落下してしまった。
ポチャンとポン酢も同時に飛び跳ねた。
「まあ、せいか……最悪!」
「は?」
「見てよ、コレ!」
着ていた白のブラウスの裾を朝比奈に見せた。
それに浮かび上がる茶色の水溜まり。
「お気に入りだったのに…」
「こんなちょっとぐらい気にする必要無くない?」
「この小さな染みでも女は、気になるものなのよ。
女子っていうのは、結構細かいところまで見てるもんなのよ」
「ふーん」
朝比奈はそう呟くと、のそのそと席を立った。
「え?
……なんで」
「まあまあ、ちょっと待ちなよ」
最初のコメントを投稿しよう!