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朝比奈はテーブルの上に置いてあったピンク色のミニタオルを手に取った。
そして流しのところまで行ってミニタオルの半分を水で少し濡らした。
「……ポン酢は取れるか知らないけどさ、こうやったら大体はいけるんだよ」
「え…どういうこと?」
「だーかーら、まあ黙ってろって」
口を噤んだ。
朝比奈は、私の前に立ってからゆっくりと屈んだ。
私はただ呆然と目の前の朝比奈を見ているだけ。
朝比奈は乾いた方のタオルの生地を私のブラウスにポンポンと叩いた。
「やっぱり、ほら落ちた」
そう言って、濡れている側を上からなぞるようにして擦り合わせた。
「全然落ちてないよ」
「いや、初めよりはだいぶマシにはなったって」
「まあ、そうだけど。
凄く無駄なことだったよね」
「いや、無駄ではないよ」
「え、どういうこと?」
「こういうこと」
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