4-2 #2

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だから櫻井さんの要望もちゃんと混ぜ込んで一つの作品にしなきゃ。 「……今日指摘した点を考慮したやつを明日か明後日、データーを私のPCの方に送って下さい」 はい…と声を出さずに頷いた。 机の上に散乱した資料をトントンと角を合わせてファイルの中に収納して櫻井さんは立ち上がった。 櫻井さんはいろんなデザイナーを掛け持ちしてるから、私達に構っている暇はない。 そう考えていたらもう櫻井さんの姿は無くなっていた。 「で? これからどうするの?」 朝比奈の声はこれまで聞いたこともないくらいさっぱりしていた。 「櫻井さん気に入らなかったみたいだし…配色変えてみる?」 不機嫌そうに言い放った。 小さい頃だったら、ほっぺたを赤く染めて泣きべそをかいてただろう。
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