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ピンポーン。
ドアフォンの音が煩かった俺たちを鎮静させた。
「誰だ?一体」
「誰が行く?
僕行くのヤダだからね」
「先生、子供みたいにだだこねないで下さいよ」
この家にはモニター付きのドアフォンが設備されていないため玄関まで行かないと来客者の顔が分からない。
いつもならここでジャンケンをして決めるのだけど、今回の来客者は余程せっかちなのか何回もドアフォンを鳴らしていた。
「ウルサいわね」
「そうだなー…」
「早く対処しないと、ここにいるみんなぶっ殺されちゃいそうだね。
僕、尚更行きたくなくなった」
先生はそう言うと、視線を俺の方へ変えた。
嫌な予感っていうのは、稀に察してしまう。
今はあれだ。
全員の視線が俺に集中してしまった時点で結果はもう貼り出されていると同じようなものだった。
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