10 #2

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「………」 はっきりとは見えなかった。 そうやって自分を誤魔化したけ。 「センセイ」と叫ぶ声は明らかに彼女のもので。 好きな人が妻子持ちの男性と浮気している。 その上、情事を目撃したなんて昼ドラ並の悲惨なシチュエーション。 どうして?どうして? 先生の言う通り絶望からは何も生まれなかった。 残ったものは絶望の空漠だけだった。 そして先生は言った。 『どうだ?これが絶望だ』
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