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あいつらは、悪気は無かったんだと思う。 もし僕があいつらの立場だったら絶対言ってたよ。 けど言われる度に、僕の何かがすり減らされてるような気がしたんだ。 そんなことで?って思うだろ? 僕は、孤児だった。 この花本って名前も孤児院の院長先生から貰った。 その孤児院も僕が中学前に経営困難で取り壊された。 何も残ってないこんな僕にも才能だけは生まれつき備わっていた。 その才能のお陰で沢山お金は貰えたし、生活に不便なことは無くなった。 けど、僕には才能以外何も無かった。 友達もいない。 学も無い。 何より、愛が無かった。 そんな中で出逢ったのが菜々子だったんだよ。
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