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夏が終わった頃だった。
先生は少しも表情を崩さず話し終えた。
俺は腹立たしさ以外の何も浮かばなかった。
じゃあ、なんだ?
自分のしたことには罪が無いっていうことか?
少なくとも新城彩愛を傷付けたことは真実だ。
新城彩愛は真剣だった。
俺が先生と寝ていたのか?と問いただしたとき彼女は泣きながら好きなんだと告白した。
彼女は知ってるのだろうか?
俺はやっぱり大嫌いだ。
先生が大嫌いだ。
先生の才能が憎い。
あの才能が無ければ――…。
もし、母さんがここを紹介しなければ。
もっと俺が父さんと話し合えて言えば。
あの場面を見なければ。
これが絶望なんだと思う。
これから俺は描く。
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