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『気持ちが固まったら連絡して欲しい。待ってるから』
課長の突然の告白は私を予想以上に動揺させるものだった。
連絡して欲しいっていうのはいつまでのことなんだろう。
恋愛経験の場数が少ない私には未知だ。
告白を終えた課長は、いつものペースで自分のデスクに戻って行った。
「えっ……えええ!」
なんて一人で発狂してたし。
夢だ。夢だ。と頬を抓ったり。
憧れの課長が今、私の手の届く範囲にいることが信じられなかった。
結局、どうしたらいいのか判らなくて悩んでいるとすっかり夜になり今に至る。
そしてこの夜起きる出来事が、私と朝比奈の関係に決定的な歪みを与えてしまうことを私は知り得る筈が無かった。
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