10人が本棚に入れています
本棚に追加
「彩愛さんは自分の記憶の中を改竄(かいざん)した。
自分の好きだったのはアオさんで朝比奈怜という人物はいなかったことにしたんだ。
そして俺と怜が病室に入ったとき言ったんだ。
『会いたかった先生』って」
陽輝さんは写真を伏せた。
まるで、彩愛さんの姿を見たくないかのように。
私の頭の中に一つの考えが過ぎった。
「だから…」
「……そう。だから、怜はアオさんの身代わりになったんだ。今の怜がアオさんに酷似しているのはそのせい。
償いのために。
また彩愛さんが前のように笑ってくれるように。
怜にはアオさんになって彩愛さんの救いになる為だけに今もこうしてあんなことをしてるんだ」
「今でも彩愛さんは…」
「怜をアオさんだと思ってる」
「じゃあ、本当の花…槇本蒼は!?」
最初のコメントを投稿しよう!