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髪から滴る水なのか零れる涙なのか判別出来なかった。
朝比奈は私の口から出た名前に驚いたのか顔を上げた。
「……なんでその名前」
私が何も答えないで、黙っていると朝比奈は納得したように「そういうことか…」と呟いた。
そして朝比奈は私の手を取った。
温かくて私より一回り大きい朝比奈の手が包み込んだ。
「……俺。こうやって誰かが傍に居てくれるだけで幸せだったんだ。
ほんと、小さなさ…」
「今日…何があったか訊いていい?」
何分くらい経ったのかな?
朝比奈はゆっくりと口を開いた。
「ああ…。
三春には聞いて欲しい」
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