14

7/19
前へ
/35ページ
次へ
「…ハルにはどこまで聞いた?」 朝比奈は手を離した。 温もりが名残惜しく感じる。 正直に私は教えてくれた事実を朝比奈に話した。 陽輝さんの気持ちは伏せて。 朝比奈は私の話を苦しそうに耳を傾けていた。 唇をギュッと噛み締めて。 そんな表情されたら私まで悲しくなる。 朝比奈がどれほどまでに彩愛さんを愛してるのか。 罪を償っているのかを身にしみて感じてしまうのが辛い。苦しい。 「……三春は、こんな俺のことどう思う?軽蔑する?」 「わたし……は…」 言いたいことが言葉に出来ない。 言葉は難しい。 だけど、言葉でしか伝わらないものってあるはずだから。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加