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私は漫画や小説の主人公みたいに気の利いた言葉なんかは浮かびっこない。
私は朝比奈じゃないから朝比奈の気持ちは分からない。
きっと朝比奈は分かってて私に訊いてるのかな?
私は、考えを纏めずに答えを出した。
「……朝比奈の贖罪が正解なのか間違えなのかそれは私が決めることじゃないし、私はそうしてる朝比奈のことを…同情なんてしたくない。
けど……。…けど。
朝比奈はそれをして辛いんでしょ?苦しい…でしょ?」
話している途中で嗚咽が混じる。
なんで私が泣いてるの…。
そんなの朝比奈に失礼。
……そんなの分かっているのに理由のない涙が溢れてくる。
「……こんな風に三春を泣かして…俺…やっぱり胸が痛いよ。事件以来…。持てる時間を全部彩愛さんに使ってた。
だからかな…なんか夢みたいに思えてくるんだ」
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