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どくん、と胸が波立つ。 震える声で「はい…」と応えた。 真っ白で固めた病室。 適度に効いた冷房。 何処に視点を定めよう…。 「怜…久し振りだな。 まあ、座れよ。そこ。イスあるだろ?」 「あ…は、はい…」 「そんな緊張しないでよ、な?」 先生は刺される前までの柔らかい笑顔を浮かべた。 俺は先生に言われた通り、真っ白いイスに腰を下ろした。 「どうして呼ばれたのかって顔してるな」 「……」 先生は、ごめんなと微笑した。
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