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「……初めに僕に近付いたのは自棄だったんだと思う。
彩愛が僕に言い寄ってきた時期にお前が彼女が出来たって報告してきた時期だ。
まあ、その彼女もただの身体の関係だけだったっていうオチだったけど、あの時の彩愛はそれを深く哀しんでいた。
だから言ったんだよ『朝比奈くんを嫉妬させたい』って。
怜が見たっていったアレ…あっただろ?
アレも全て彩愛の計算だったんだ。
そして計画通り怜は彩愛に言った。
どうしてか?って。
だけど彩愛はあれだったことに逆に腹を立てた。
お前のその冷静すぎる態度に。
そしてもっと、もっと。
お前の中に自分の存在を示したかった。
そしてある晩、避妊具に細工を施したんだ。
自分が妊娠したらお前が自分のことを見てくれる。
振り向いてくれるってね」
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