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「彩愛さんは実刑は免れたんだ。
精神が錯乱していた、という理由もあるし初犯だったからね。事件が起きた後。
正確に言えば、怜が先生と対面した2日後くらいかな、彩愛さんが入院している病院に訪れたんだ」
涙が留まらなかった。
「……」
「そのときは俺も同伴で」
そして陽輝さんは言った。
先生からの告白以来、怜は見る影もないくらい荒れたと。
「彩愛さんは、怜を見て"怜"だと思えなくなったんだ」
「……えっ」
「ここからは俺の想像でしかないけど、彩愛さんは先生を刺してしまった衝撃と流産というショックが重なって、その…全ての原因…元であった怜を抹消したんだよ。
自分の中で……」
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