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陽輝が突然俺の元を訪ねてきた。
からりと乾いた夏の夜だった。
「……お前」
「やあ、兄さん」
冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを取り出して、コップに注ごうとしていたところだった。
指には、まだ缶を開けた感触が残っていた。
「一体…どの面下げて…」
「まあ細かいことは後にしてさ。
入っていい?」
閉め掛けていたドアを強引に開いてその隙間にスルリと入ってきた。
「お前…いい加減にしろよ…」
俺は苛立つ気持ちを露わにして陽輝に物言いった。
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