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クスリと笑う陽輝の顔を見ると殴りかかりたくなってしまう。
自分と似た顔を殴るのには多少だけど抵抗感があるけど。
「顔、怖いよ」
「元からだ」
「俺、兄さんを怒らすためにここに来たんじゃないんだよ。
兄さんにとって俺は」
「……今の行動を見る限りそうとしか思えない」
「ちょっとしたお遊びだよ」
陽輝は不敵な笑みを浮かべながらソファーに腰をおろした。
俺はテーブルにさっき淹れたコーヒーを置いて、自分もいすに座った。
「兄さんさ、あれ以来蒼さんに会った?」
「いや、あってないけど」
「俺も。まあそれが普通だよね」
沈黙が続いた。
俺から何を言い出すわけでもなく陽輝も口を開けようとしなかった。
ただただ時間だけが過ぎていくという無駄な行為だった。
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