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「ちゃんと球を見て、それからグリップを握り締めて。 そうしたら、筋が見えるから」 「……は、はい!」 課長の言われた通りに、ギュッと手に力を入れて前を向いた。ブルブル手足が震える。 怖い…。 「三春!」 もう直ぐボールが飛んでくるっていう瞬間。 課長が私の身体を引き寄せた。 バンッ! 球が後ろのネットに跳ね返った音と同時に、私は課長の胸の中に抱き寄せられていた。 「危なかった…」 大きな吐息が漏れた。
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