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恐る恐る音のした方向に目を向けると、案の定想像していた事態が起きていた。
三春の手元にあったグラスが俺の足元に転がっていた。
幸い…と言ったらいいのか、床には零れていなかったから女将さんには怒鳴られなくて済む。
けど、まあ…ああ…。
「あーあ。零しちゃった…」
当の本人は、全く詫びそれた様子は無くて寧ろそれを楽しんでいた。
まあ、酔ってるからしょうがないんだけど。
「どーしよー朝比奈。
服、すっごーく濡れちゃった」
酔った三春はタチが悪い。
素面の時と正反対だ。
濡れた箇所をバタバタと動かして乾かしてるけど、それは…流石に…。
酒がブラウスに染み込んで殆ど透けている。
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