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でも忘れたとは言いづらいのだろう。
ちゃんと顔に書いてあるのに。
プライドの高い人だから無理もないか。
実は私が言ってないなんて思いもしないんだろうな。
ちょっとだけ罪悪感。
「そんな大きなお腹で出歩いたら危ないから、キャンセルしたらどうだ?」
しかも忙しい誠さんの久しぶりのお休みだから、食い下がりたい気持ちもわからなくもない。
「楽しみにしてたんですから、ダメです」
鞄を持って立ち上がる私を、後ろから抱きしめそっと首筋に唇が触れた。
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