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「これだけ言ってもダメなのか?」
誠さんがマタニティードレスのファスナーをゆっくり下ろしながら、背中に指を這わす。
「……ダメ……です」
甘い誘惑に流されそうになりながらも、ギリギリのところで堪えた。
誠さんの手首を掴まえると、自由になったファスナーをもう一度上げる。
「わかったよ。でも送っていくから」
「ありがとう」
少し拗ねている誠さんの機嫌を取るように、一瞬だけ触れるキスをして微笑んだ。
これで今日1日何とかなりそう。
この1年でようやく誠さんの扱い方もわかるようになった。
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