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ゆっくりと陽が落ちて、風も気持ちいい。
程よくアルコールの入った体を持ち上げ、窓から外を見てみると堤防や橋の上に人がひしめき合っているのがわかる。
花火は屋形船に限るな。
めぐみを抱き寄せて、窓から花火が上がるであろう方角を見上げた。
ポンポンと小さな音が聞こえたかと思うと、明るい光が空を照らす。
「綺麗……」
呟くめぐみの視界を塞がないように、白いうなじにキスを落とす。
耳を甘噛みすれば、小さな吐息を溢して身を捩る。
「誠さん、花火」
「ずっと我慢してたんだ、これくらいいいだろ?」
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