導かれし者の帰還

22/65
前へ
/113ページ
次へ
「ハァハァ、ちぃっきしょう…レックス!ここは引くぞ!」 「ハァハァハァ、くそったれ!!ハァー…ずらかろう…」 「そうはいくか!」 ずらかろうと起き上がる盗賊らに無情にも歩み寄る謎の美少女。 …きれいな顔して容赦ないな。 「ちっくしょう…このアマー!!……ん?」 …なんだ急に!? のそのそと起き上がっていたジョーだったが、突然階段の方へと走り出したのだ! 「貴様何を?」 「うわー!!」 すると階段の辺りから子供の叫び声が!! …あの声はユーリか!? 「しまった!」 悔しそうな少女の叫び声が響く、しかし気付いた時には遅かった。 ジョーが階段の下へと潜って行った。 …それにしてもユーリあんな所に隠れてたのか! 「離せよ!コノヤロー!盗賊め!うっ!!」 ジョーが階段の下からユーリを抱えながら出てくる。 …あのヤロー!あんな子供の首筋に曲刀つきつけるなんて、なんてヤツだ!! 「フフフ、口の悪いガキだぜ。おい!分かってんだろうな!?じょーちゃん?大人しくしてないと…間違ってこの手が、すべっちまうかもな!ハハハハ」 …ちきしょう!卑怯な!! 「ガァハハハ!よくやったぜジョー!テメーら妙な真似すんなよ?」 「くっ…その子は関係ないでしょう!?離しなさい!!」 少女の問いにニタニタと笑いユーリを見せつけるように持ち上げ、牽制しながら下がって行く、こっちを警戒し、後ろ歩きに出口へと二人は向かって行った。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

729人が本棚に入れています
本棚に追加