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「もうずいぶんと経ったんだけど食糧を調達しに行った男共が、なかなか戻って来ないのよ。近頃この辺りの魔物も狂暴化してきてね。おかげで村の食糧は、底をつきかけてるの」
「そうなんだ、なんか悪かったな」
貴重な食糧だったんだな。
「ううん!いいのよ。困った時はお互い様よ」
なんか悪いな…よし!
「俺、食料の調達に行こうか?」
「そう?…でも村の外は危険でいっぱいよ?魔物も増えてきてるし」
「困った時はお互い様でしょ?」
なんだか助けてもらってばかりみたいだからな。
けど魔物ってどんなんだろ?…今の俺でも倒せるのか?
「フフ、そうね。助かるわ…けど大丈夫なの?…あなたランクは?」
「ランク?」
何それ?
「ギルドランクの事よ」
「ギルド?うーん名前以外のことは、何も覚えてないんだ」
面倒だからそういう事にしておこう。
「そう、記憶喪失なの?さっきから気になってたんだけど、黒髪に黒い目って珍しいわよね…もしかして東の国の出身とか?」
東の国?
「うーん、わからない」
「そうなの…わかったわ、まずはギルドに行ってみましょう。外に出る前にそこで準備した方が良いわよ」
「そーする」
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