最終話 最後の選択

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「聞こえる……私には聞こえてる……」 その鼓動が私に何かを訴えかけているように聞こえてくるのは私の気のせいなのか。 「この音……」 音の位置を探り、やがて私の手はとある場所にたどり着いて背筋を震わせる。 「……え……これって……」 私の手は自分のお腹へと当てられていた。 その手には確かに、ほんの僅かな鼓動が感じられる。 その瞬間に脳内を駆け巡っていく記憶。 忘れていた記憶のすべてが私の中で甦っていく。 ーーーー東京の町は夜も華やかだった。 合コンに度々顔を出す私。 どうやら私は男の性欲を過敏に反応させる女のようで、下心を持った、いや寧ろ下心しか持ってない男が近寄ってくる。 元々男に抱かれる事が嫌いじゃない私は、酔っぱらった勢いでホイホイついていってしまう尻軽女だった。
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