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「みんなみんなみんな!
すっげー! ビッグニュース!」
開口一番、ボクは教室中、いや、校舎中に響き渡るほどの声で、力の限り叫んだ。
教室に着いて一番に伝えたくて、思わず駅前から学校まで休まず走ってきてしまった。
生徒はみんな、キョトンとした顔付きで、ボクの声に驚いたようにボクを見ている。
ボクはそんな彼らに目もくれず、一目散に自分の席の周りで群がる、いつもの仲良しグループの輪の中に飛び込んでいった。
「なんだよ、ヒロト。
うっせーな」
怪訝そうに、もしくは少し呆れたようにボクを睨むのは、そのグループの一員である、友達の純君だ。
ボクは上がる息を整えようと何度か深く呼吸をして、右手で握り締めていた一枚の紙をボクの机の上に叩き付けた。
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