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「もー!
▲▲! 映画!
観に行くの?」
「えー……分かんない。」
ボクが少し怒ってそう言うと、真島君は無表情のまま。
「じゃあさじゃあさ!
ボクと観に行こうよ!」
真島君の答えが嬉しくて、ボクは少し身を乗り出す。
真島君はボーッとしたまま、ボクに返す。
「別にいいけど。
いつ?」
「来週の土曜日!」
「あ、ゴメン。
やっぱり無理」
真島君は肘をつきながら、ボクの目を見て話す。
そしてボク、再び落胆。
「えー!
なんでー?」
「その日、みっきーと遊ぶもん」
みっきー……ああ、白井さんのことか。
お洒落で、背が高くて、読者モデルをやってるんだっけ。
そして、すっごい美人。
調さんや大島さんと仲の良い子で、真島君の彼女だ。
「映画観に行く約束してる」
真島君の衝撃の言葉が耳に入ると、思わずそれに飛び付いてしまう。
「うそ!
何観るの?」
「●●だよ。
原作の小説が面白かったから」
そう答える真島君の顔を見て、少しため息。
で、再び落胆。
なーんだ。絶対、その●なんとかって映画より、ボクが言った方が面白いのに。
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