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「何だー、真島君もダメかぁ。
じゃあ、一人で行くしかないなぁ……」
「あ、その映画ってさ、小林が前から観たい観たいって騒いでた映画じゃね?」
ボクが諦めて、机の中に紙を仕舞い込んだとき、思い出したように純君が会話に割って入った。
「あっそう」
「だから、小林と行ったら?」
興味無さそうに真島君が短い言葉を返すと、何を面白がっているのか、純君がけらけらと笑いながら言う。
その瞬間、ボクの隣で頬杖をつきながら読書をしていた、短い髪の女の子が真島君と同時に「ハァ?」と声を洩らす。
「何言って……」
「えー、ヤダー」
その小林さんと言う隣の席の女の子の言葉を遮って、真島君は無表情のまま間延びした声を出す。
すると、その言葉にムッときたのか、小林さんがいらついた表情で声を荒げた。
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