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「わかるけどさ、
はしゃぎたくなる気持ち。
…そりゃー嬉しいよね」
横目でからかうように見られ、
わたしはつい赤くなって
目を逸らした。
「ていうか、俺も嬉しいし」
「…え?」
角を曲がった瞬間、祐希の顔
いっぱいに笑顔が溢れた。
「せんせっ」
手を振りながら、走り出す。
出遅れたわたしは、
ちょこちょこと
小走りでその後を追った。
「転ぶなよ、祐希」
公園の柵に寄り掛かっていた
春山先生が、笑いながら
こちらに声をかける。
祐希はあっという間に
先生の元に辿り着き、
頭をくしゃくしゃと撫でられ、
仔犬のようにその手にじゃれた。
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