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「ごめんね、先生。待った?」
「いや、今来たところだから」
「今日、車じゃないの?」
「車だよ。そこの
コインパーキングに停めて来た」
「そっか。じゃ、
ゆっくり出来るねっ」
祐希のはしゃぎようを、
わたしは呆れて見ていた。
…お父さんにだって
こんなにじゃれたことないのに…。
父の立場を思い、
わたしは密かに胸を痛めた。
「じゃ先生、寒いから早く行こう!
神社で甘酒出してくれるから。
めちゃめちゃ美味しいんだよ」
祐希に手を引かれ、先生が歩き出す。
…祐希、ずるい。
…わたしも、手繋ぎたいのに…。
人知れず頬を膨らませながら、
わたしは二人に続いて歩き出した。
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