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長い参拝の行列に並び、 やっと御社殿の前に辿り着くと、 祐希がおもむろにパンパン、と 手を打って、拝み始めた。 「ゆーき」 ちょんちょん、と肩をつつく。 「何」 「お賽銭、 入れた方がいいかも」 「あ」 祐希は照れ笑いをしながら 慌ててポケットから 小銭入れを降り出し、 準備しておいたのか、 5円玉をふたつ、取り出した。 「せーの」 3人でタイミングを合わせて 投げ入れ、揃って かしわ手を打つ。 目を閉じて、 一心に合格祈願をしてから 顔を上げると、すでに 拝み終えた祐希の向こう側で、 先生が未だ手を合わせていた。
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