-2-

10/12
前へ
/40ページ
次へ
「その前に、お前はどうなの」 「え…」 「なんで、俺なの」 「……」 そう言われちゃうと…。 わたしはまじまじと 先生の顔を見た。 …わからない。 先生の全てが好きすぎて、 …どこかを切り取って、 そこが好きだなんて、 限定することは難しい。 「…わかりません…」 「分からないの?」 少しイジワルな目が、 からかうようにわたしの 顔を覗き込む。 「『先生の好きな所。 目、声、背中、腕』 …あと、どこだっけ」 わたしは目を見開いて、 口をポカンと開けた。 「『イジワルな顔、 優しい顔、機嫌の悪い顔、笑顔…』」 「ちょ、ちょっと…っ」 慌てて、先生の コートを両手で掴む。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

355人が本棚に入れています
本棚に追加