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「その前に、お前はどうなの」
「え…」
「なんで、俺なの」
「……」
そう言われちゃうと…。
わたしはまじまじと
先生の顔を見た。
…わからない。
先生の全てが好きすぎて、
…どこかを切り取って、
そこが好きだなんて、
限定することは難しい。
「…わかりません…」
「分からないの?」
少しイジワルな目が、
からかうようにわたしの
顔を覗き込む。
「『先生の好きな所。
目、声、背中、腕』
…あと、どこだっけ」
わたしは目を見開いて、
口をポカンと開けた。
「『イジワルな顔、
優しい顔、機嫌の悪い顔、笑顔…』」
「ちょ、ちょっと…っ」
慌てて、先生の
コートを両手で掴む。
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