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「何だか、
負ける気がしません」
「…それはよかった」
フジコ先生は笑いながら、
わたしの腕をトントンと叩いた。
「実はね。春山くんの
受験の時にも、同じように
ここのお守りをあげたのよ」
「えっ」
「春山くんもこのお守りで
難関を突破したと思うと、
さらに心強いでしょ」
「そうなんですか…」
わたしは手の中の
お守りをじっと見つめた。
「なんだか、
不思議な感じがします」
「…何が?」
「当たり前のことだけど、
あの春山先生も、
わたしたちと同じように
高校生だったんだんですよね。
…すごく不思議」
「そう?」
フジコ先生は、
にっこり笑顔を見せた。
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