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*** カウンセリング室を出て 昇降口に向かう途中、 角を曲がると、 長い廊下のずっと先に、 背の高いスーツ姿の シルエットが見えた。 さっきまで教室で 向かい合っていたのに、 その姿が近づくにつれ、 徐々に心臓の音が高くなる。 「お疲れ」 廊下の途中の、広い窓が 作りだした陽だまりに、 春山先生が立ち止まった。 「お疲れ様です…」 わたしも先生の 1メートルほど手前で 足を止める。 「とっくに帰ったかと思った」 「カウンセリング室に 行ってたんです。 峰村先生、今日はたまたま、 午前中だけこちらで 仕事してたみたいで」 「そう」 春山先生は少し身体を屈め、 わたしの顔をじっと見た。
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