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「目、赤いけど。泣いた?」
「え、ほんとですか」
わたしは慌てて
指先で目を擦った。
「今日子先生に泣かされたの」
「いえ、
泣かされたんじゃなくて、
わたしが勝手に
さみしくなっちゃっただけです」
「そう」
春山先生はフッと笑って、
「今日子先生、
いつもと何か違ってた?」
「え?」
わたしは先生の顔を
思い浮かべてから、
「何かって、…どの辺ですか」
「いつもより、
嬉しそうだった、とか、
機嫌が良かった、とかさ」
「……?」
残念ながら、いくら考えても
分からなかった。
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